本来なら既に開幕していたはずの東京2020オリンピック。しかし、誰もがご存じの通り、新型コロナウイルスが世界的に蔓延したため、開催延期という事態となってしまいました。
延期された東京大会がもし開催されていたら、と想像にふけるファンも多いと思いますが、それはサッカーファンも同じです。何故なら今回のサッカー日本代表には、大きな可能性があったからです。あのメキシコシティー大会の偉大な結果を塗り替えるほどの大きな可能性が……。
奇跡と呼ばれた銅メダル獲得
サッカー日本代表がオリンピックに初めて参加したのは、1936年のベルリン大会です。この時は僅か1勝ながら、ベスト8という結果でした。1964年に自国東京で開催されたオリンピックでも、日本は再びベスト8という結果を残します。
そして1968年に開催されたメキシコシティー大会で、伝説として語られる銅メダル獲得を日本は果たすのです。このとき準決勝で負けたハンガリー代表は、決勝で対戦したブルガリア代表を4対1で圧倒するほどの強豪で、3位決定戦の相手は地元メキシコだったのですから、なおのことこの結果には価値があります。
優秀な若手が揃う今回の代表チーム
ただ、それ以降の日本代表は、本大会に参加することすらできなくなります。その連続予選敗退も、1996年アトランタ大会で遂に途絶え、マイアミの奇跡と呼ばれた強豪ブラジル相手のアップセットも本大会で起こします。
しかし結局、グループリーグで敗退。その後は日本代表も、Jリーグの登場による影響などで安定した成績を残すことが可能となり、2012年ロンドン大会では4位という結果も残します。それでも、越えられなかった銅メダルという結果を、今回のチームは目指していたのです。
世界有数のクラブチームであるマンチェスターシティーに所属する板倉滉と食野亮太郎、世界トップのサッカーリーグであるスペイン1部で活躍した久保建英など、才能溢れる若き選手がこのチームには存在しています。彼らがそのポテンシャルを余すところなく発揮すれば、あの偉大な記録を越えることも決して夢ではないのです。